2016/08/03

INTERVIEW WITH PRESIDENT掲載

INTERVIEW WITH PRESIDENT掲載記事 ~転載~

人生はまなびの連続

まなびの窓口
川内 真紀

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プロフィール
松山市出身の元カリスマ塾講師。小学校や塾、様々なところで教育の最前線に立ち生徒1人1人にフルコミットしてきた。現在は「まなびの窓口」代表。

まなびをサポートするということ

まなびの窓口さんの事業を教えてください。

 まなびの窓口では、子どもが自分に合った学び方を見つけて生き生きと学べるよう全力でサポートしています。その中でまずは子どもへのサポート、そして親へのサポート、最後に学びの場(塾やフリースクールなど)へのサポートを行っています。

 まなびの窓口では4本の柱を立てています。1つ目が「まなびナビゲーター」による個別相談、2つ目がイベント(交流会、ランチ会、セミナー)、3つ目が学びの場の紹介、4つ目が塾のコンサルティングです。

個別相談の内容はどのようなものが多いでしょうか?

 様々なものがありますが、「今の塾を続けた方がいいですか?」や「〇〇の塾はどんな感じですか?」など、塾に関しての相談が多いです。そのほかには自宅で使う教材など家庭学習に関する相談もあります。学びに関するご相談でしたら何でも対応しています。出張相談やイベント後の個別相談も行っています。

 最近行った相談では30分で終了を予定していたのですが、話が盛り上がりすぎて実際には1時間もかかってしまった例もありました。やはり、どの親御さんもお子さんに関しての悩みを抱えていらっしゃる方ばかりだと感じました。

 ママさんは仲の良い方同士で情報交換を行なっていますが、実際にはその情報が正しくないことも多々あります。そこで私が正しい情報を伝え、お子様1人1人に合った学習方法を提案し、子どもの学びをサポートしています。

私も経験がありますが個別指導塾では先生の当たり外れがあると思います。学生のお子様をお持ちの読者の皆様へ個別指導塾に通わせる場合のアドバイスをお願いします。

 いろいろアドバイスしたいことはありますが、まず入塾の面談時に授業中に何をしてどのような宿題を出すのかなど具体的に決めておくと良いと思います。自宅で問題を解いておき、分からなかった所を授業で教えてもらうというスタイルがお勧めです。そうしないと授業中にただテキストを解いただけという風な授業になりがちです。

どのようなイベントを開催されていますか?

 ママさん向けのイベントでは、「塾の上手な活用法」や「お勧めの自宅学習法」、「やる気の出させ方」、「教育とお金の話」などのセミナーを実施しています。これはママさんに好評で今後も様々な切り口で開催していきます。
「まなびの窓口交流会」では、塾の経営者様に参加して頂き、塾の広報活動や運営について情報交換をしています。

松山市内だけでもたくさんの塾がありますよね。

 現在、学びの場は多様化しています。フリーペーパーなどに載っているだけでも松山市内にある塾は296軒もあります。しかし塾探しをした保護者の方のお話を聞いてみると塾の情報を提供する場や、保護者の相談窓口も不足しているという声が多くありました。
それに対し塾では多額な広告宣伝費に対する問題があります。宣伝費をいくら費やしても一件も問い合わせがない危険性もあります。そこをうまく仲介するのが「まなびの窓口」の役割です。

 「まなびの窓口」では、塾の取材を行っています。塾のシステムの理解はもちろんですが、その塾ではどこに力を入れているのか、塾の雰囲気や教育理念など、誌面ではなかなか伝わりにくいことを聞くよう意識して取材を行っています。
しっかりとリーダーシップを取って生徒を引っ張ってくれるタイプの先生であったり、生徒の話をよく聞き思いやりを持って接してくれる先生であったりなど、先生の人柄を見るようにしているので、お子様1人1人にあった先生を紹介できます。

出産を機に・・・

川内代表はこれまでどのようなお仕事をされてきたのでしょうか?

 松山市出身で奈良女子大学を卒業後、小学校の臨時講師や塾講師をしてきました。担任として深く関わった子どもは1210名います。塾講師時代は授業や教材作成だけでなく、管理職として教室運営や人材育成も担ってきました。
鹿児島にある大手塾では管理職着任後、年間生徒総数と年間売上共に2年間で倍増させることができました。

なぜこれほどの実績を残すことができたのでしょうか?

 生徒1人1人に丁寧な指導を行なったことが1番だと思います。生徒は何かしらの悩みをもって入塾してきます。まず初めに保護者の方と3人で面談をするのですが、それが20分や30分で終わることはありませんでした。私の場合、最低でも1時間はかかります。
今までのテストを持ってきて頂き「過去」にどんなところで躓いたのかを知り、「現在」の課題を考え「未来」を見せてあげることに時間を割いていました。通って頂いてからも保護者との連絡を頻繁に行い丁寧なフォローを心がけてきました。

 その他には人材育成に力を入れていたことも要因だと思います。個別指導の塾では大学生が講師になることが多いです。社会人としての経験が浅いので生徒指導や保護者への振舞い方が分からない人も少なくないです。その若い講師たちをいかに育て教壇に立たせるか、日々試行錯誤を繰り返しました。

起業したきっかけを教えてください。

 出産を経験し子育てを続けて4ヶ月後、子どもが外に出られるようになったぐらいの時に、「このままでいいのだろうか」という思いが起こりました。私が一生懸命に子育てをするあまり、私は娘の一部分という感覚になっていったのです。
例えるなら私はグリコのおまけのようなイメージでしょうか。私は娘のために存在し、私と娘の存在が混同していました。これは危険であると思い、私は自分の人生を生きなくてはと思ったのです。

 そんな時、活躍されている女性起業家さんのお話が聞けるイベントに参加しました。そこで私は娘にイキイキと人生を歩んでいる母親の姿を見せたいという思いが芽生え始めました。
子育てをする母として人生を歩みながら、自分のやりたいこともしている1人の人間として生きていきたいと思いました。今思えばそれが起業のきっかけだったのかもしれません。
そして、今までに出会ってきた悩みを抱えている子どもや親御さんの顔を思い返し、自分を見つめ直した結果として「まなびの窓口」が誕生したのです。塾講師をしていた頃に子育てに悩まれる保護者の方をたくさん見てきました。それをどうにか解決したいと思い起業という選択をしました。塾講師としての経験を活かし、今度は勉強を教える立場とはまた別の形で教育に携わりたいと思っています。

人生はきっと上手くいく

私は就職より起業の方が良いのではと感じる時期もありました。実際どうなのでしょうか?

 組織にいるからこそできる経験というのもあると思います。上司との付き合い方や部下の育て方なども学べるでしょう。
塾講師時代も経営者がいかに大変かということは沢山目の当たりにしてきました。経営者が華やかで煌びやかかというとそうではない一面もあると思います。一長一短であり、一概に起業がいいとか就職がいいとかは言えないですね。

起業されたのは出産後ということでしたが、子育てと仕事を両立させるコツはありますか?

 まだ子どもは授乳中で、夜泣きもします。正直両立は大変です。しかしそんな中でも例えば子どもを寝かしつけながら仕事のことを考えることもできるので、全く仕事に手がつかないということはないです。頭の中でならいつでも仕事ができると私は思うからです。
家事や育児をしながらでも私の頭の中の何%かは「まなびの窓口」のことが常に占めています。そして子どもが寝た後、パソコンを開き閃いたことなどをメモしています。

 これは社会人になるとちょっと使えるテクニックです。仕事が遅い人はパソコンを開いた後じーっと眺めて考えているのです。仕事の段取りや今後の予定を考えることは会社へ移動の道中にでもできることですよね。仕事場に行ったらすぐに動けるように常に準備することが効率を上げる鍵になると思います。

今までの人生の中でぶつかった壁は何ですか?

 子どもを授かった時に塾講師を辞めざるを得なかったことでしょうか。確かあれは4月か5月頃で、当時私は教室長を務めていました。新年度が始まり「本年度もよろしくお願いします。」と保護者の方に伝えたタイミングで子どもを授かったので思い悩みました。
また夫は単身赴任をしており、私の両親は高齢なため私が夜中に塾に働きに行くことは不可能でした。

 年度途中で退職せざるを得なくなり、迷惑をかけてしまったという思いが強かったです。妊娠が分かってからは周囲の人に何度も何度も謝罪をする毎日だったと覚えています。
そんなある日、私の上司が「すいませんと謝るのをやめなさい。喜ばしいことなのだから有難うと言いなさい」と私に仰ってくださいました。加えて「今まで仕事に注いできた100%の力を今度は子育てという仕事に注ぎなさい」とアドバイスを頂きました。

 その時、私は1つの大切な命を預かっている身ということを改めて実感しました。天より与えられた子育てという仕事は、今までのどんな仕事よりも大きいのだなと痛感させられると同時に自分がどれほど周りの方々に恵まれているかを感じることができました。

読者の方に一言お願い致します。

 人の言うことに耳を傾け学ばせて頂くことで人生は好転していくと思います。私が母親としての生き方に悩んでいた時に、家に閉じこもっていたとしたら、何の糸口も見つからなかったと思います。一歩外に出てみたことで相談に乗ってくれる人に出会えました。
そして、出会った人達から多くのことを学ばせて頂きました。常に学ばせて頂くという姿勢を持つことが大事だと思います。

 加えてどんなに苦しい状況であっても必ず人生には道があると考えています。実は私は若い頃に大きな病気を患いました。それも教員採用試験の時期と被ってしまい頑張らなくてはいけない時期に大きな壁となって立ちはだかりました。しかし必死になって良い医師と出会えるように探した結果、病気も完治させることができました。

 また、大学時代には小学校の教員免許を取らずに卒業してしまい後悔していたのですが、後々調べてみると通信教育でも教員免許は取れることを知りました。これこそ道は沢山あると実感した体験です。
そこから通信教育を2年間受けました。昼間は小学校で非常勤講師として働き、夜は塾でアルバイトをした後、深夜に通信教育のレポートを書いていました。さらに週末には他県へ試験に受けに行くという多忙な毎日でしたが充実していました。

 意外に手段は沢山あるのです。何事も諦めずに信じて進んでいけば道は開けると思います。

インタビュアーより

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起業は1つの選択肢であり、自分ができることを考えてその中で自分らしい人生を歩みたいという考え方が本当に素敵でした。私自身も今後の人生を考えさせて頂く良いきっかけになったインタビューでした。川内代表の印象は教育者としても1人の母としても強い芯をお持ちになって人生を歩んでいらっしゃるなと感じました。川内代表、本当にありがとうございました。
山本 隆生

 

 

 

 

 

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